【他職種との連携⑥】~口腔ケアが支える在宅生活 ― 訪問歯科の重要な役割~

訪問診療を行っていると、医療だけでは支えきれない課題に触れることがあります。そのひとつが**“口腔ケア”**です。


中野区・新宿区周辺(特に落合南長崎・高田馬場・大久保エリア)で訪問診療を行っている患者さんのご自宅へ伺う中でも、**「口から食べることを守る支援」**は非常に重要なテーマとなっています。

そんな場面で欠かせない存在が訪問歯科医師・歯科衛生士です。

▼ なぜ訪問歯科が必要なのか?

口腔内のトラブルは、全身状態に直結します。

よく見られる例として:
• 食事中のむせ
• 入れ歯の不具合による食事量低下
• 口臭や乾燥による不快感
• 嚥下機能(飲み込み)の低下
• 唾液分泌の低下による誤嚥性肺炎リスクの増加

特に在宅医療では、食べる力の変化が生活の質(QOL)に大きく影響します。

「食事がしづらくなった」
「むせやすくなった」
「最近食べる量が減っている」

──これは“老化”ではなく、介入可能な医学的サインであることがあります。

▼ 訪問歯科が行うこと

訪問歯科では、口腔ケアだけでなく、状態に応じた幅広い支援が可能です。
• 入れ歯の調整・作成
• 口腔内清掃・炎症管理
• 歯周病、口内炎、噛み合わせのケア
• 嚥下(飲み込み)評価
• 食形態や摂食嚥下リハビリの提案

訪問歯科は、訪問看護師やリハビリ職と協働して嚥下訓練を行う場合も多く、嚥下内視鏡(VE)や嚥下評価を行えるチームが関わることもあります。

▼ 医療と歯科の連携が生む価値

訪問診療では、私たち医師が定期的に診察しながら、
• 栄養状態
• 誤嚥性肺炎のリスク
• 疾患に伴う嚥下機能変化

などを把握し、必要に応じて訪問歯科へ依頼しています。

特に、
• 脳梗塞後遺症
• パーキンソン病
• ALSなどの神経難病
• 心不全やフレイルで体力が低下している方
• 長期臥床が続いている方

こうした方では、口腔機能の維持が延命ではなく「生活を守る医療」に直結します。

▼ おわりに

訪問歯科は、単なる歯の治療ではありません。
“食べる楽しみ” と “誤嚥を防ぐ安全性” を同時に支える医療職です。

中野区・新宿区周辺(落合南長崎・高田馬場・中落合・大久保など)で在宅医療を受けている方の中には、訪問歯科の関わりによって再び食事を楽しめるようになった方が多くいます。

もし、
• 食事中のむせが気になる
• 入れ歯の調整が必要
• 口腔ケアができていない
• 食事形態の見直しをしたい

という方がいらっしゃれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

多職種と連携しながら、**「住み慣れた家で、最後まで口から食べられる支援」**を続けていきます。

よつば中野クリニック

院長 手塚匠海