【他職種との連携⑧】~訪問介護(ヘルパー)と医療の役割分担 ― 在宅生活を支える重要な存在~

訪問診療を行う中で、「医療だけでは支えきれない部分」を補ってくださる存在がいます。
それが**訪問介護(ヘルパー)**です。

中野区・新宿区周辺(特に落合・上落合・中落合・下落合エリア)で訪問診療をしていると、日常生活の細かい部分まで支えているヘルパーさんの存在の大きさを日々実感します。

在宅医療は、ただ治療を続けるだけではなく、**“住み慣れた環境で生活を続けられること”**が大切です。
ヘルパーさんはまさに、その生活の基盤を支えてくださる職種です。

▼ 訪問介護(ヘルパー)の役割とは?

訪問介護では、介護保険制度を利用し、以下のような支援が行われます。
• 食事の準備・配膳・見守り
• トイレや入浴などの身体介助
• 更衣や移乗、ポジショニング
• 掃除・洗濯・買い物同行など生活援助
• 服薬の声かけや体調変化の観察
※(医療行為には該当しませんが、重要な生活サポートです)

ヘルパーさんは、生活の目線で患者さんを支えています。
そのため、医師や看護師が見逃してしまうような細かな変化に気づくことがあります。

▼ 医療と介護で役割はどう違う?

患者さんやご家族からよくある質問のひとつが、

「訪問看護と訪問介護はどう違うの?」

というものです。

簡単にいうと役割は次のようになります。

役割訪問看護訪問介護(ヘルパー)
目的医療的ケア・体調管理生活支援・介助
褥瘡処置、吸引、点滴入浴介助、食事介助、掃除、買い物
依頼先医療機関・訪問看護ステーション居宅介護支援事業所(ケアマネ)

どちらが欠けても、在宅生活は成立しません。

両輪で支えることが理想の形です。

▼ 実際の現場では…

例えば、
• 冷蔵庫の水分・食料が減ってきた
• ゴミが片付かない
• 歩くスピードが少し落ちた
• 服薬が進んでいない
• 同じ質問を繰り返す回数が増えた

こうした日常生活に伴う変化は、ヘルパーさんがいなければ気づきにくい部分です。

その情報を、ケアマネジャーや訪問看護師、そして医師へつなげることで、

「重症化する前に対応できる」=未然防止につながる

これは在宅医療にとって非常に重要です。

▼ 最後に

中野区・新宿区(落合・上落合・中落合・下落合・高田馬場周辺)で訪問診療を行う中で、
ヘルパーさんの存在が患者さんの生活をどれだけ支えているか、日々実感しています。

在宅医療は、医師だけで成り立つものではありません。
訪問介護、訪問看護、薬剤師、リハビリ、ケアマネジャーなど、多職種がひとつのチームとなって支えています。

もし、
• 生活面でのサポートが必要
• 在宅生活に不安がある
• 介護保険をどう使えばいいか分からない

といった不安があれば、遠慮なくご相談ください。

よつば中野クリニック

院長 手塚匠海