中野区、新宿区周辺で訪問診療を行っていると、「最近、立ち上がるのがつらそう」「食が細くなった」「以前より会話が減った」といった、身体と心の両面に少しずつ現れる“弱り”に出会うことがあります。
その背景にあるのが、「廃用症候群」や「フレイル」と呼ばれる状態です。
初期の変化に気づくことが、ご本人とご家族を守る第一歩
廃用症候群は、入院や体調不良、転倒などを機に動かない状態が続くことで、筋力や心肺機能、認知機能などが一気に低下していく状態です。
一方でフレイルは、年齢に伴って筋力や活動量が少しずつ落ち、疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりする「加齢に伴う虚弱状態」です。どちらも、放置すると要介護状態に進行する可能性があります。
以下のようなサインにご注意ください:
• なんとなく食が細くなった
• 筋肉が落ちてきた/体重が減ってきた
• 立ち上がりや歩行が以前より不安定になった
• 外出の回数が減った
• 会話が減り、表情が乏しくなった
在宅医療だからこそできるケアがあります
訪問診療では、これらの状態に早く気づき、次のような支援を行います:
• 食事・栄養の調整(管理栄養士との連携)
• ご本人のペースに合わせた生活リズムの再構築
• 訪問看護や訪問リハビリとの連携による運動支援
• 転倒予防の住環境アドバイス
• 気持ちの落ち込みへの声かけやご家族支援
また、ご自宅での生活を支えるためには、介護サービスの導入や調整を担うケアマネージャーとの連携が欠かせません。
「今どのような支援が必要なのか」「どの介護サービスをどのタイミングで取り入れるか」といった判断は、医師だけでなくケアマネージャーとの情報共有・相談を通じて、ご本人・ご家族にとって無理のない支援計画を一緒に作っていくことで実現します。
医療と介護がうまく連携することで、「寝たきりにならない」「介護に追われすぎない」在宅生活が可能になります。私たちは、こうした調整役のひとつとしても訪問診療を活用していただければと考えています。
廃用やフレイルは、早期に気づいて介入することで改善が見込めることもあります。体が弱ってから「何とかしなければ」と焦るのではなく、「弱っていく前にできること」があることを、多くの方に知っていただきたいと考えています。
中野区、新宿区周辺で、こうしたお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
よつば中野クリニック 院長 手塚匠海