【他職種との連携⑨】~デイサービスとの情報共有は、患者さんの「生活の質」を左右します~

よつば中野クリニックでは、中野区・新宿区周辺にお住まいの患者さんの診療を行う中で、デイサービスとの連携が非常に重要だと日々感じています。

先日も上落合・落合駅周辺にお住まいの方で、デイサービスと情報共有することで生活リズムが整い、食事摂取量や活動量が大きく改善したケースがありました。

◆ デイサービスは「生活の医療情報の宝庫」

訪問診療では、診察できる時間や頻度が限られています。
しかしデイサービスでは、
• 食事の量
• 活動量
• 入浴の状況
• 表情や気分
• いつもと違う変化

など、日常生活に直結する情報がリアルタイムに蓄積されています。

この情報は、診療方針を決める上でとても価値があります。

◆ 「医療と介護の境界」だからこそ役割がはっきりしている

デイサービスの役割は医療行為ではなく、主に以下です:

領域内容
生活支援入浴・排泄・食事のサポート
生活リハビリ立位・歩行練習、口腔体操
社会参加支援レクリエーション、集団交流
見守り健康チェック、変化の気づき

医師が行う「治療」とは異なりますが、生活の基盤作りという点で不可欠な存在です。

◆ よくある相談例

• 「最近デイサービスで眠っていることが増えた」
• 「歩行時のふらつきが増えた」
• 「食事量が明らかに減っている」
• 「レクリエーションに参加しなくなった」

これらは、
• 認知症進行
• 脱水
• 便秘
• 服薬調整の影響
• 心不全や感染症の兆候

などの疾患サインであることがあります。

こうした変化を早い段階で共有いただくことで、悪化前に介入できるケースが多くあります。

◆ 当院が意識していること

✔ 必要に応じてデイサービス職員と連絡交換
✔ 共有シート・連携ツールの活用
✔ 医療用語ではなく「生活目線のことば」で説明
✔ カンファレンスや連絡会への積極参加

患者さんにとって大切なのは、治療がうまくいくことだけでなく、心地よく暮らせることです。

だからこそ、生活リズムを支えるデイサービスとの協力は欠かせません。

さいごに

訪問診療は「医療」。
デイサービスは「生活」。

この両輪が噛み合うことで、患者さんが住み慣れた場所で安心して暮らせる環境が整います。

今後も地域のデイサービスの皆さんと連携しながら、一人ひとりに寄り添った医療と生活支援を続けていきたいと思います。

よつば中野クリニック

院長 手塚匠海